『盾の勇者の成り上がり 15 』(MFコミックス フラッパーシリーズ)

盾の勇者の成り上がり (15) (MFコミックス フラッパーシリーズ)
超話題の異世界リベンジファンタジー、コミカライズ第15弾!!ついに霊亀編クライマックス!!オストの導きで霊亀の体内奥深くへと進んだ尚文たちは、霊亀事件の黒幕と対決する!そこへ意外な人物たちが参戦してき...

失われた日常、動き出す運命

幾多の困難を乗り越え、異世界での生活に小さな平穏を見出していた尚文たち。
彼らの築いた居場所は、ほんのひとときながらも穏やかな温もりに包まれていました。
ですが、世界は彼らに安息を許してはくれません。
突如、異世界を脅かす脅威――「霊亀(れいき)」が目覚めるのです。

霊亀は、無数の命を糧とし、世界を滅ぼすと言われる大怪異。
その封印が破られたことにより、異世界に再び緊張が走ります。

尚文は、波に抗うたびに心をすり減らしながらも、ラフタリアやフィーロ、リーシアたちと共に戦い続ける決意を固めます。
彼にとって、もう「無関係なこと」などないのです。
すべては、守りたい仲間たち、そして自分の居場所を守るために――。


運命を告げる少女、オストとの出会い

霊亀討伐を目指し、尚文たちは各国の軍勢と共に進軍します。
しかし、思うように進まない交渉、散り散りになる勇者たち。
尚文はまたしても、孤立無援の中で自分自身の信念を貫かねばならない苦境に立たされます。

そんな中、彼らの前に現れるのが、謎めいた女性・オスト=ホウライ。
優雅でありながら、どこか儚さを感じさせる彼女は、自らを霊亀国の女王補佐官だと名乗り、尚文に協力を申し出ます。

オストの態度には、一途な覚悟と、揺るがない使命感がにじんでいました。
「どうか、霊亀を討ってください」
彼女のその言葉は、尚文たちの胸に静かに、しかし確かに届きます。

オストと尚文たちの間に生まれる絆。
それは、戦場という過酷な場所でありながらも、柔らかな信頼の芽を育んでいくのでした。


交錯する思惑、戦場に響く叫び

霊亀討伐に向けた作戦は、思わぬ方向へと進みます。
軍勢同士の不協和音、油断と無策。
尚文たちは敵よりも味方に振り回されながら、必死に活路を探ります。

そしてついに、霊亀が目を覚まし、圧倒的な力で蹂躙を始めます。
尚文たちの戦いは、一筋縄ではいきません。
失われていく命、守り切れない悲しみ。
それでも尚文は、諦めない。
彼にとって、逃げる選択肢など最初からないのです。

そんな中、オストは尚文に寄り添い続けます。
彼女の言葉、彼女の笑顔が、どれほど尚文を支えたことでしょう。
けれど、オストにはまだ、尚文たちに伝え切れていない真実がありました。

彼女自身が霊亀と密接に結びついた存在であること。
そして、彼女の運命もまた、この戦いの中で決して避けられないものであることを――。


小さな手を重ね、未来へと歩み出す

苦しい戦いの果て、尚文たちは霊亀本体への突入を決意します。
その道のりは、ただの力だけでは超えられないものでした。
仲間を信じ、支え合いながら、一歩一歩を踏みしめていくしかないのです。

ラフタリアの優しさ、フィーロの純真さ、リーシアの成長。
それぞれの想いが尚文を支え、尚文自身もまた、誰よりも強く、仲間たちを守ろうとする。

オストは尚文に微笑みながら、最後の願いを託します。
「あなたに、未来を託したい」
その言葉に、尚文は静かにうなずきます。

たとえ失われたものがあったとしても。
たとえ別れが待っていたとしても。
守りたいものがある限り、彼らは歩みを止めない。


15巻のラストに待ち受けるのは、悲しみと希望が入り交じる、静かで温かなクライマックス。
ページを閉じたあとも、心の中で彼らの小さな祈りが、優しく響き続けることでしょう。

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