『盾の勇者の成り上がり 11 』 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

盾の勇者の成り上がり (11) (MFコミックス フラッパーシリーズ)
アニメ化決定! 絶望の底から這いあがる不屈の成りあがりファンタジー!弓の勇者・樹の仲間、リーシアが冤罪をでっち上げられて解雇!?自らのつらい過去を思い出した尚文は怒って樹のところへ怒鳴り込みに行くが・...

新たな波紋と、心に灯る覚悟

裏切りと絶望を知った盾の勇者・岩谷尚文。
それでも彼は、ラフタリア、フィーロ、そして新たな仲間リーシアたちと共に、確かな信頼を育みながら歩み続けていました。

静かだった日々は長く続かず、再び世界に「波」が押し寄せる気配が訪れます。
波――それは異世界からの侵略。
この世界の命運を賭けた、苛烈な戦いの前兆です。

尚文たちは、今度こそ守り抜くために、胸に新たな覚悟を刻みます。
彼らが目指すのは、ただ生き延びるだけの戦いではなく、護りたいものを未来へ繋ぐための、希望に満ちた戦い。

仲間たちの存在が、尚文にとって、何よりの光となっていたのです。


新たな仲間、そして成長

11巻では、リーシアが仲間として本格的に物語へ深く関わってきます。
かつて槍の勇者・元康に助けられたものの、その期待に応えられずに捨てられた彼女。
けれど尚文は、そんな彼女に「できること」を見出し、リーシア自身もまた、少しずつ自信を取り戻していきます。

尚文は決して「見捨てない」。
過去に自分が受けた仕打ちを思えば、なおさら誰かを孤独にさせることができなかったのです。

また、領地経営にも力を入れ始める尚文。
ルロロナ村――かつて滅びかけたこの村を、フィーロやラフタリアたちと力を合わせて再興していきます。
温かな笑顔と、小さな希望が宿るこの地は、尚文にとって「帰る場所」になりつつありました。

一方で、槍の勇者・元康、剣の勇者・錬、弓の勇者・樹――
それぞれの勇者たちも、少しずつ変化を見せ始めます。
波を越えるためには、四聖勇者たちの連携が不可欠なのだと、皆がようやく理解し始めたのです。


再び迫る波と、宿命の対峙

そして、ついに「波」の襲来。
今回の波では、ただのモンスターだけでなく、異世界から来た勇者たち――グラス、テリス、ラルクたちが尚文たちの前に現れます。

彼らもまた、「自分たちの世界」を守るために戦っている存在。
それぞれの世界、それぞれの正義がぶつかり合う激しい戦いに、尚文たちは巻き込まれていきます。

とくに、グラスたち異世界の勇者たちは、一筋縄ではいかない強敵。
尚文は盾の力を駆使し、仲間たちと連携しながら必死に食らいつきます。

苦しい戦いの中、リーシアは驚くべき成長を見せ、仲間として頼もしい存在に。
そしてラフタリアは、尚文に対する信頼と想いを胸に、どこまでも剣を振るいます。

「私たちは、絶対に負けない。」
ラフタリアの瞳に宿る強い光は、尚文の心を震わせ、立ち上がらせる力となるのでした。

けれど、簡単に勝利できる戦いではありません。
異世界の勇者たちにもまた、護りたい人々がいて、譲れない想いがある――
それを知ったとき、尚文の胸には複雑な痛みが広がりました。


それぞれの願いを胸に、再び歩き出す

激闘の末、なんとか波を凌いだ尚文たち。
しかし、それはほんの一時の休息にすぎませんでした。

尚文は知ります。
「自分たちの戦い」は、単なるモンスター討伐ではないこと。
異世界との軋轢、勇者同士のすれ違い、世界の命運――
それらすべてが絡み合う、遥かに壮大な戦いであることを。

それでも、尚文は進むと決めました。
護りたいものがあるから。
支えてくれる仲間がいるから。
何度傷ついても、何度裏切られても、尚文はもう「一人じゃない」と信じられるから。

優しく微笑むラフタリア、無邪気に駆け回るフィーロ、少しずつ自信を取り戻すリーシア。
彼らと共に、尚文は小さな一歩を踏み出します。

「次の波も、絶対に乗り越える。」

そう誓った尚文の物語は、さらに深く、さらに熱く、加速していくのでした――。

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